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ドイツワイン、市場におけるトレンド

04/19/2024

ドイツ人はどこでワインを買い、どのワインがトレンドなのでしょうか?ドイツワイン協会(DWI)は、デュッセルドルフで開催された国際ワイン見本市・ProWeinのオープニングの記者会見で、この問いに関してのデータを発表しました。


ドイツ人はどこでワインを買い、どのワインがトレンドなのでしょうか?ドイツワイン協会(DWI)は、デュッセルドルフで開催された国際ワイン見本市・ProWeinのオープニングの記者会見で、この問いに関してのデータを発表しました。

オンラインでのワイン購入の増加

昨年の厳しい経済状況は、多くの消費者のワイン購入行動にも影響を与えました。とりわけ低所得世帯ではワインを飲まないことが多くなり、逆に経済的に裕福な世帯ではワイン消費量はほとんど減りませんでした。

ニールセンIQの世帯パネルデータを基にしたDWIの報告によると、全体が減少傾向にあった2023年のワイン市場の中で、最も好調だったのはワイン生産者やワイン商のオンラインショップでした。その結果、オンライン取引は2022年に比べて2ポイント上昇し、現在では全ワイン購入の13%の市場シェアを獲得しています。

一方で、食品小売業者が2023年にその分の市場シェアを失っています。全ワインの内の64%が小売店で購入されており、その市場シェアはディスカウント店が37%、スーパーマーケットは27%とし、それぞれ1ポイントずつ減少しました。

ドイツワインにとって重要な役割を果たしている生産者からの直販ですが、その24%は地元のワイナリーやオンラインショップから購入されています。

人気が高まるアルコールフリーワイン

ノンアルコール・ワインはまだニッチ市場かもしれませんが、消費者層はますます拡大しています。昨年、ノンアルコール・ワインのカテゴリーの取引が27%増加したのに伴い、売上も27%増となりました。ノンアルコール・ワインの売上高が54%で、小売部門の2倍の伸びを示しています。

これは、生産量の減少と生産コスト増により、高騰したノンアルコール・ワインの価格水準を受け入れる準備を消費者がしていたことに起因しています。

しかし、相対的に見るとノンアルコール・ワインの市場シェアは、まだ比較的低い水準にあります。業界の推定によれば、ワイン市場全体に占めるノンアルコール・ワインのシェアは1%程度なのです。

拡大するオーガニックぶどう栽培

オーガニックぶどう栽培はここ数年、継続的な成長率を記録しています。DWIによれば、ドイツの調査会社Agrarmarkt Informations-Gesellschaft (AMI/アグラルマルクト・インフォメーション・ゲゼルシャフト)が実施した調査でも確認されており、それによれば、オーガニック栽培のぶどう畑は2022年には13,800haにまで拡大しており、これは前年比で1,300haの増加に相当します。つまり、2022年はドイツ全体のぶどう畑面積の13.6%がオーガニックワインの生産に使用されたことになり、2023年にはさらなる栽培面積の増加をDWIは予測しています。

オーガニックワインの確固たる顧客層

コロナが蔓延していくも、オーガニックワインの安定した需要によって相殺されています。昨年のワイン市場全体が減少する中、オーガニックワインは損失を被りませんでした。ワイン購入量の前年比3%、売上高の4%という市場シェアを維持することができたのです。

PIWIの強健な新品種に需要

近年、オーガニックと従来型のぶどう栽培の両方で、耐性の強い新品種PIWIの栽培が増加しています。その耐性のおかげで、植物保護はほとんど必要なく、ワインはすでに伝統的品種の品質レベルに到達しました。また、PIWI品種の栽培面積がドイツ全体の約3%まで拡大したことで、この国のワイン生産者は、より持続可能な製品を買いたいという消費者の要望に応えてもいます。

赤・ロゼの前にまずは白

2023年のワイン購入量における白、赤、ロゼワインのシェアは前年と変わっていません。白ワインは依然としてドイツのワイン市場を支配しており、その購入数量のシェアは47%、また赤ワインは40%、ロゼワインが13%とそれぞれの割合を示しています。

2024年4月10日から12日にかけて開催されたProWine Tokyoでは、オーガニック・ワインとアルコールフリー・ワインがクローズアップされ、第75代ドイツワイン女王エヴァ・ブロックマン氏によるセミナーにおいて紹介されました。