ヴァインライヒ・ゾンマーラッハ

フランケン下流のワイン生産村ゾンメラッハは、マイン川南流域のワイン島に位置する。この村のワイン生産者たちは、1901年にフランケン地方最古のワイン生産者協同組合を結成した。

数年前、すでにフランスの最優秀協同組合として、また2009年にはドイツの最優秀協同組合として表彰されている意欲的なワイン生産者たちは、ワイナリーの建物を設計し直すことにした。その目的は、伝統への認識と国際性、革新性を協同組合の建物のデザイン言語で融合させるというワイン生産者の哲学を表現することだった。改築を計画し実現させたWürzburgの建築家チームは、この主張に見事に応えた。

建築事務所Hofmann, Keicher, Ringの指揮の下、以前の陰鬱な雰囲気は明るくモダンな空間コンセプトに変わった。2006年にオープンしたヴァインライヒは、1階にワインバーがあり、テイスティングエリアは「コストバー」と名づけられた。石、木、ガラスが主な素材である。すべてがフレンドリーで魅力的だ。テラス付きのサマー・バーがあり、天気の良い日には外に出てくつろぐこともできる。上階には会議室と研修室がある。壁にはゾンマーラッハのワイン生産者の名前が書かれた階段がセラーへと続いている。そこでは、一風変わった照明コンセプトが、古い採石場の石造りの貯蔵庫を演出している。ステンレスタンクが暗闇から紫、ピンク、オレンジの光で神秘的に揺らめき、バリック・セラーを訪れた人々は、光と色の海に浸ることができる。

ファサードも入念に改装されている。建物の角を横切る幅の広い帯状の窓は、古典的モダニズムの様式的特徴を彷彿とさせ、印象的なコーニスは1920年代から1930年代の建物を彷彿とさせる。ヴァインライヒが、カッツェンコップ山の麓の町並みにさりげなく溶け込み、なおかつ若々しく、新鮮で、前向きな印象を与えているのは、フランケンの伝統と近代建築がうまく融合していることを証明している。少なくともこのような理由から、ワインセラー・ゾンマーラッハ協同組合のワイン・エクスペリエンス・ワールド「ヴァインライヒ」は、2007年にドイツ・ワイン建築賞の一部として表彰された。 土・日・祝日:10:00~18:00</p