ドイツワインの歴史は、紀元前にまで遡ることができます。そして3世紀には銘醸地であるモーゼルを中心に、ドイツワインは早くも全盛期を迎えていました。
そんな長い歴史を誇るドイツワインは、1960~70年代の高度経済成長期には甘口のワイン産地として名を馳せます。
しかし1985年、オーストリアに端を発した「ジエチレングリコール混入事件」により、甘口ワインは世界的に不信感を持たれます。自動車の不凍液(ジエチレングリコール)を入れると高級ワインに似たコクや甘みが出ると、一部の生産者が使用したことが発覚したのです。
それ以降、ドイツワインの生産者は、どのようなワイン造りをすればいいのかと葛藤します。そこに台頭したのが、親たちの世代とは違うワイン造りをしようと考える若手醸造家たちでした。